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第3回 修行編 part1

シュプラの門をたたいたのは、2003年の4月末のこと。
噂のマスターとはじめての対面。

「これまでの経歴とか俺には関係ないから。ここでは俺に従ってもらうし、できなきゃ辞めてくれ。」
こうして文字にするとかなり強烈。いや、強烈でしたよ、実際。
この瞬間、何だか長い夢から目覚めたというか、やっと自覚したというか。
カレー修行するんでしたっけ、わたし。・・・するんですよ。
逃げられませんよね?・・ここまで来ちゃいましたからね。
これがわたしの現実。

マスターは言いました。
「ちゃんとやったら、カレー作れるようにしてやる。最低1年だな。」
このときは気がつかなかったんですよね。これがどんなに重い言葉か。
長いとすら思いましたから。
今となっては、恥ずかしいです。
たった1年。
マスターは30年。
その味を譲ろうと言ってくれたんですよね。初対面の私に。
今なら分かります。
そしてきっかり1年でしたから。

そのままゴールデンウィークを試用期間として、私の修行生活はコインランドリー完備のビジネスホテルから始まりました。
店は帰省客で大にぎわい。右も左もわからず言われるがまま。
正直、自分がこんなに使えない人間だということに、驚く始末。
それでもマカナイのカレーが本当に美味しくて。夢中で食べました。
そう、この時期の修行日記(このときで終わる)には、マスターが恐い、でもカレーが旨い、が繰り返しひたすらと綴られています。
こんなに美味しくて驚いた、とも。この段階で気づいてどうする!
勢いって本当に恐ろしい。

この期間中アパートも探しました。
松本では4月に入居が決まらなかった物件は、1年空いてしまうことが多いらしいです。必然的に望まれる客となった私。
敷金礼金ゼロなんてあたり前。じゃあ、駐車場もう1台でどうだ!とか。
いらないですから・・・ね。

結局、全く値引きもしてくれなかった、やる気のない不動産屋で決めてしまいました。部屋の真ん中にどでかいクローゼットがある不思議物件。ちなみに裏は墓地。
でもこの家のおかげで、その後の修行生活はだいぶ救われることに。

そんなこんなでGWも終わり、一時帰京。
ここでわかったこと。
私、東京が好きでした。
離れてみて知ったこと。
もう行きたくないと、出発前夜は友達のバーで飲んだくれですよ。ご迷惑おかけしました。

そして再び松本へ。今度は家財道具も一緒です。
ついに始まり。本当に本当の修行生活のスタートです。

次号、汗と涙の修行編Part2(帯状疱疹にもなりました編)へ続く




不定期コラム「ライオンシェア誕生まで」
第1回 入門編
第2回 修行編、その前に・・・
第3回 修行編 part1
第4回 番外編、ガングロ・・その訳は
第5回 修行編 part2
第6回 修行編 Part3 マスターとタンドールと




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